応募作171
「Y県某村居酒屋にて」
田口六
おめオレが人殺したの聞きたいってか。かだっけどなんぞ面白いもんでねぞ。
オレがぬずさんのとき、なかばのよっちゃに誘われて冬だけ大阪にかしぐさいくことになってよ。
工事のスゴトだけんど、とくと言葉がわからねえの。今じゃテレビでさはなしっこしてるの多いからこっちでもわかっけどさ。したっけなぬかだってんのやわがんねんだ。しでいに現場のほいづらがさオラを無視するようになってよ。やるのはよただ黙々やるだけでいいけんど、変わっとわかんねえんだ。んで、しとりのあんちゃんがいげすかねくてよ。向こうの言葉でおっけ声でごしゃぐんだ。なしておがしぃこだねえのにみんなすて笑うんだな。なんだおもしゃくねえ。けったくそわるくてよ。
スゴトあがったあとよ、ほいづがしとりになったらふん捕まえて、なぬさこのと、つさや腹いろんなところをはだいだ。すばらくするとがおったや。そいでさっぱどした。
そいでしんまに基礎さこしらえるためにコンクリさながした穴さあってよ、そのながさなげてまた流してすめた。いますこすコンクリあってもバレねえからさ。もすこすであがっときに起きてしずねかったっけどきまったさ。
あすなさほいづがいねけどなじょすたーなじょすたーとほげったけど、すばらくすっとすずかになって、オレはほっかぶりできまるまでかしぐさいっだよ。そっから大阪にいってねんだ。
おい、おめ、聞いてんのか。おめが聞くからかだったのによう、なんも言わずに黙ってあっぺとっぺなことしてよう。おだずなよ