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個人賞:山下昇平賞

作品タイトル:「蒲公英」筆名:和口 比沙子 上町筋の大手前交差点に押しボタン式の横断歩道がある。三年前の冬、まだ薄明るい早朝に、私は一人でそこに立っていた。二十近く年の離れた妻子持ちの男と外泊し、朝帰りの途中だった。男は北海道から強引に会い…

個人賞:酉島伝法賞

作品タイトル:「道ばたで。」筆名:ひびきはじめ わしらに怖い話知らんか? てニイちゃん酔狂な奴っちゃなあ。そんなもん魚つかまえてあんさん泳げまっか言うてるようなもんやで。え? もしかして怖い話て、ひゅぅどろどろ恨めしやぁの方かいな。 そやなあ…

個人賞:東雅夫賞

作品タイトル:「愛染橋(あいぜんばし)」筆名:榛原 正樹(はいばら まさき) 「たしか、前の不発弾処理のときもこの顔ぶれやったねぇ」 窓辺の席に座った良枝は杖を引き寄せ、曲がった腰を伸ばしながら隣の男性に言った。 「ほんまになぁ。もう滅多に会う…

個人賞:牧野修賞

作品タイトル:「ちいさないし」筆名:久遠了 昔は男にも名前があった。故郷を捨て、悪逆非道の日々を送った今では、その名で呼ばれることはなかった。余命わずかと知った時、男は故郷に帰った。様変わりした街に、痩せ衰えた男はため息をついた。夕暮れ間近…

受賞作:佳作

作品タイトル「おおさかのせき」 筆名:水無川 燐 梅田のビジネスホテルで目覚めると、そこには一匹の悪魔がいた。悪魔は、昨夜には無かったはずの六脚の椅子を示して告げた。近畿二府四県から各一名ずつ、合計六人の関西人の魂を生け贄として捧げること。今…

受賞作:佳作

作品タイトル「百物がたりをして富貴になりたる事」 筆名:東大谷高子 万策尽き、明日は首吊りと思いつめていた冬の夕刻、「百物語をしたら、富貴になれますのやて」と言い始めた番頭に、旦那は「アホ抜かせ」と力なく呟くだけだった。もう叱る気力もない。…

受賞作:佳作

作品タイトル「渡し船」 筆名:松岡永子 ランチのとき、祖母の家には渡し船に乗って行ったと話すと、へえ、すごい田舎なんですね、と言われた。まあ知らなくても無理はないが、大阪市内にも渡船場はある。 祖母の家は大正区のやや南の方にあった。地図上では…

受賞作:佳作

作品タイトル「出身地」 筆名:久瀬たつや 最初に異変に気がついたのは、バイト先の後輩たちと会話をしていた時だと思う。話題は地元の名産品についてだった。 お米が美味い、みかんが有名など名物自慢が続く中、私が「うちの地元は何もない」と口にしたら、…

受賞作:佳作

作品タイトル「ワルツ」 筆名:和口 比沙子 よどの かわの よるの どてで おとこ ないふ もって ひそむ。そばを ひとり あるく おんな なにも しらず あるく おんな。おとこ さした おんな にげた おとこ おって もっと さした。おんな たおれ おとこ わらい…

受賞作:大賞

作品タイトル「おおさかの壁」 筆名:有爪 大阪と聞くと、ある知人の話を思い出す。 その知人の地元は関東なのだが、近所に「おおさか公園」と呼ばれる場所があるという。崖下にある、日当たりの悪い小さな公園で、崖側は土留めのためのコンクリート壁になっ…

受賞作:優秀賞

作品タイトル:「遊ぼ」筆名:光原百合 故郷から大阪に出てきて、半年ほど経った頃だった。わたしは毎週末のように、大学の友人に連れられてキタ界隈で遊んでいた。大阪の街は、そうして駆け足で着いていかなければ置いて行かれそうな、華やかなせわしさに満…

受賞作:優秀賞

作品タイトル:「トライアゲイン」筆名:鳥原和真 ひと抱えある発泡スチロール箱の角までみっしり収まり、上から見るとはらわたを額縁に入れたようだ。箱に収まる程度にブツ切りになった肉の塊は、生命としか言いようの無い身体の芯がすっぽり抜けている。六…

受賞作:優秀賞

作品タイトル:「顔」筆名:大庭くだもの 線路を跨ぐ歩道橋にてOさんは刺し殺されてしまった。通り魔の犯行であった。「失禁したかと思ったのよ。刺されたのは脇腹あたりだったけれど、流れ出た血が太腿をつたったからかしら。やだ、こんなところでおしっこ…

大阪てのひら怪談 受賞作発表

大賞 タイトル「おおさかの壁」 筆名:有爪 優秀賞 タイトル「遊ぼ」筆名:光原百合 タイトル「トライアゲイン」筆名:鳥原和真 タイトル「顔」筆名:大庭くだもの 佳作 タイトル「ワルツ」筆名:和口 比沙子 タイトル「出身地」筆名:久瀬たつや タイトル「…

イラストの販売について

www.kcc.zaq.ne.jp 展覧会名:「掌中世界 大阪てのひら怪談」 会期:2016年2月6(土)~17(水) 休廊日:2月11日(木)、12日(金) 現在開催中の「掌中世界 大阪てのひら怪談」展で、展示されているイラストの販売は、ギャラリーのみで行います。代金は1枚3000…

大阪てのひら怪談NEWS!

現在皆様から応募いただいた266作品の厳正な審査を行っている最中です。 今回受賞作は、大賞1点、優秀賞3点、佳作5点、審査員の個人賞を5点(大賞や、優秀賞、佳作とは別に審査員が個人的に賞を与えたいと思った作品に授与)。 そして、ギャラリーに設置した…

大阪てのひら怪談の応募を締め切りました。沢山のご応募ありがとうございます!!

作品タイトル:「十字路で」筆名:紅侘助作品タイトル:「小人さん」筆名:松浦明日香作品タイトル:「絶海」筆名:金剛 千花 作品タイトル:「熊野第一王子」筆名:籠 三蔵(かご さんぞう)作品タイトル:「ひるに」筆名:八木 砂緒作品タイトル:「ものまね…

現在の応募作数のお知らせ

作品タイトル:「『ブレーメンの音楽隊』にあこがれて」筆名:石黒久人(いしくろひさと)作品タイトル:「逆戎(さかえびす)」筆名:理山貞二作品タイトル:「もうひとつのうわさ」筆名:百句鳥作品タイトル:「暴れ川」筆名:百句鳥作品タイトル:「K池…

現在の応募作数のお知らせ

作品タイトル:「ねごと」筆名:川島トかげ作品タイトル:「球体」筆名:たこすけ作品タイトル:「きょん」筆名:「五本指」作品タイトル:「赤い爪」筆名:柴田季克作品タイトル:「K坂の……」筆名:上江洲 規子(かみえしゅう のりこ)作品タイトル:「女学…

現在の応募作数のお知らせ

作品タイトル:「ビリケン様」筆名:御手洗 作品タイトル:「集会場」筆名:松本夏梨作品タイトル:「可南子」筆名:東 恭作(あずま きょうさく)作品タイトル:「転がったバッジ」筆名:野棘かな作品タイトル:「最後のお見送り会」筆名:須田院 麗作品タ…

現在の応募作数のお知らせ

作品タイトル:「お呼びでない」筆名:藤尾作品タイトル:「環状線から出られない女」筆名:深田 亨(ふかだ とおる)作品タイトル:「塞栓」筆名:藤森伏見(ふじのもり ふしみ)作品タイトル:「紙飛行機」筆名:大庭くだもの作品タイトル:「人形」筆名:…

イベント開催決定!

★「大阪てのひら怪談」オープニングトーク 日時:2016年2月6日15時~ 出演:東雅夫、山下昇平、田辺青蛙 場所:SUNABAギャラリー 。 入場料=1,000円 ★「大阪てのひら怪談」審査結果発表、選評(仮) 日時:2016年2月13日15時~ 出演:東雅夫、牧野修、酉島…

大阪てのひら怪談の広告が出来ました。

山下昇平さんのデザインで、大阪てのひら怪談の広告ポスターが出来ました。 応募締切まで期間が短いですが、現在このポスターの設置や配布が可能な場所を募集しています。 サイズはA4です。ご希望の団体の方や店舗等がございましたらお知らせください。 送料…

現在の応募作数のお知らせ

作品タイトル:「大返」筆名:海日作品タイトル:「鵺虫」筆名:有爪作品タイトル:「おおさかの壁」筆名:有爪作品タイトル:「大阪から来た男」筆名:猫吉(ねこきち)作品タイトル:「古地図」筆名:白雨作品タイトル:「お供えもん」筆名:鷹匠りく作品…

現在の応募作数のお知らせ

大阪てのひら怪談応募作一覧 作品タイトル:「成人式の夜」筆名:湯菜岸時也作品タイトル:「錆びたトランペット」筆名:湯菜岸時也作品タイトル:「なんば花月の空気」筆名:湯菜岸時也作品タイトル:「大川」筆名:うしろのひょぶ作品タイトル:「桜ノ宮」…

大阪てのひら怪談

大阪をテーマにした怪談を募集します! あなたも怪談を書いてみませんか!?~800字の「大阪怪談」を募集中!~ ◆2017年2月6日~17日まで、大阪の日本橋にあるSUNABAギャラリーで、「山下昇平展」が開催されます。『てのひら怪談』シリーズの装丁画でもおな…