応募作28

「へぐひ」

最寄ゑ≠

 食べ歩きの一日を陸カフェの満喫セットで〆て、難波から新宿行きのバスに乗る。大たこも美味しかった。蓬莱も美味しかった。十三大橋を渡る頃、夜空にぽっかり空中庭園が浮かんでいた。ああ、お腹いっぱい。何だか眠くなってきちゃった。

 ハッと気が付くとひっかけ橋の欄干にもたれて立っていた。猛烈にお腹が空いている。
「おじさん、たこ焼き8つ」
「ええっと、豚まん2つ」
 食べ歩きの一日を陸カフェの満喫セットで〆て、難波から新宿行きのバスに乗る。十三大橋を渡る頃、夜空にぽっかり空中庭園が浮かんでいた。ああ、お腹いっぱい。何だか眠くなってきちゃった。

 ハッと気が付くとひっかけ橋の欄干にもたれて立っていた。猛烈にお腹が空いている。
「おじさん、たこ焼き8つ」
「ええっと、豚まん2つ」
 食べ歩きの一日を陸カフェの満喫セットで〆て、難波から新宿行きのバスに乗る。夜空にぽっかり浮かぶ空中庭園を眺めていると、何か物凄い眠気が…。

 ハッと気が付くとひっかけ橋の欄干にもたれて立っていた。猛烈にお腹が空いている。
「おじさん、たこ焼き8つ」
 焼き立てのをがつがつと頬張る。
「お姉さん、500円」
「あ、すいません。今…」
 お財布は空っぽだった。
「はあ、お金ないてかなんなもう。ちょっと警察呼んできて。そこのロッテリアの横の」

 道頓堀の人ごみの中、おまわりさんに手を曳かれて歩く。通りすがりの人たちの視線を感じる。ひそひそ声が聞こえる。
「見てみ、食い倒れちゃうか」
「うわ、食い倒れとかアホやん」

 取調室に入って来たおまわりさんは湯気の立つお茶椀とグリコを3つ、机に並べた。
「まあ食え。腹減ってしゃあないやろ」
「あの、食い倒れって何ですか」
「案の定、お嬢ちゃんも食い倒れたんかいな。ほうほう、ふむふむ、そら難儀なこっちゃ。ええか、よう聞きや。電車賃は貸したるさかい、大阪駅からJRでいっぺん三宮に出てみ。そんだけ食うたらな、或いは下りやったら通じるか知らん」